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金星
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作詞 reddo |
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今夜は久々 晴れた日で
澄んだ紺に 月と一粒の星
月の上辺を影が隠して 輪郭を細く描きだす
星は一粒まっすぐに 射抜くみたいに輝いて
あれを金星だと教えてくれた君を思い出す
ハンドルに身体を預けて見上げた星は あの日となんら変わらずに
信号が青になって ヘッドライトが流れ出す
あれは宵の明星っていうのよね
と誰に言うでもなくつぶやいては
夜が明けても明けの明星が上がるから 淋しくないんだよね
とまた唱えては
道を走る光がにじんで見えて 鼻も つん として 気づかないふりをした
玄関の鍵をまわしながら空をみたら
こぼしたみたいに星がまいてあって 思わず見上げて 白い息が出た
扉をあけて見えたのは
愛しいあなたと ちっちゃな箱
なんなのか尋ねたら「出したのも忘れてたけど懸賞で当たったみたいでさぁ」と
のんびり答えてあなたは笑った
それはよかった、ね、外に星いっぱいだよ、これもすごいよ って教えると
「え?あ、ほんとだ!田舎っていいなあ。」 だって
「あれってオリオン座でしょ〜、あと、あ、俺これしかわかんないや」って
またのんびり笑うあなた
私は少し笑って 指差して
あれが金星だよ と教えてみた
そういったあと 私に近寄って 私の頬を拭ったあなた
「うん。きれいだねぇ」
そういってくれるあなたの心が
私は一番 綺麗に思う
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