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鴉夜手引き
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作詞 E-L-E |
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夜永し丑三つ時
眠れぬ二つの陰は溶け込む
冷光 綺麗な月華
覆うは手暗がりの桃源
虚飾を代償に変えて
触れた稚拙な手々が
變幻を残して猶予い
手中の鳥が微嗤む
絶え間なく
吁 全ては美徳と流しなさいませ
街路は絢爛 白を揃えて
吁 全てを振り売り満たしなさいませ
桜咲かせる宵は 羽縛たいてゆく
唐立花 鳴く風
苦悶の貌 吹かれ乾く
暁闇 鴉踊りて
積りし雪花照らし慟哭
足りぬ籠を天へ地へ捨て
蒼穹 零れる虎の子
全てを食む犬に成り下がり
薄氷通さず壊せば
溺れ逝く
吁 思いが侭に 燃やしなさいませ
端麗の朝が存在せぬよう
吁 風霜靡かせ 堕としなさいませ
高欄に磔刑 舐めずり 狐火愛でる
剥落の誓い 破り蕩す
囈妓の笛鳴りて 深淵に眠る
裏町消えて 四六の東風の音
瑞祥齎さぬ 甚雨に打たれ
吁 全てを捧げて映しなさいませ
明け待つ鴉 引きずるまでに
吁 常世を切り売り満たしなさいませ
桜吹雪の宵は 羽縛きて廻る
吁 全てを忘れて壊しなさいませ
荒野に迷う 羊を追う様に
吁 陽が天井へと転がり染めば
陰一つ下枝折り 羽根が綺羅めく
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