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虚数
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作詞 neige |
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彼女は何故いつ如何なる時でも彼が救い出してくれると信じているのだろう。
苦悩の海に飛び込んだのは他ならぬ彼女なのに 溺れ沈むことを望んだのは彼女なのに
何故悲痛な悲鳴を上げて助けを求めるのだろう。
彼女は理解しているのだろうか?
彼が貴女を救い出すには、彼もまた苦悩の海に入水しなければならないことを。
愛しい人に自分と同じ痛みを味合わせなければならないことを。
私には出来ない。
苦悩の海に飛び込んで、溺れることの苦しさを知っているから。
愛しい人にそんな苦しみを与えたくないから。
だから私は何の言葉も発さずにただ今にも消え入りそうな月に手を伸ばす。
けれどももし私の愛しい人が苦悩の海に溺れて救いを求めて叫びをあげているとしたら
私は迷わず入水するであろう。
苦悩の海に飛び込んで、溺れることの苦しさを知っているから。
愛しい人にそんな苦しみを与えたくないから。
それが私の 目には見えないアイという名のもののカタチ。
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