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ヒキシオ
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作詞 少年アリス |
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いつかは捨てていく哀しみ 湿気ったパンのような役名
細く長く 息は絶え絶え 何もかもが割には合わない
金はいくらでも溢れて来た 人々の価値無き会話が聞こえた
それでも 蒼い月の前には あらゆる無駄が口を閉ざした
僕の布擦れ以外 何一つ 耳には出来ない
この哀しみは運ばれていく場所を知らない
よく見ていて どうか見捨てて行かないで
遠くで皆が笑ってる 彼らと僕との間には
命とそうでない物とを仕切る 神秘的な壁が建ってる
生きた手でノックをした 音は返って来ない
崩れた家の 嘗てはリビングだった所を 枝で線を引いて囲った
一仕事終えた気持ちでソファに腰掛け
暖炉の火が 剥き出しの雪景色に映るのを眺めていた
堪えきれない嗚咽は 変わり果てた我が家にはもう 家族の幻さえ見えないから
君は春の木漏れ日の中
終わりだけが刻々と続く 底の無い冬の夜には僕が
互いのあるべき場所を守っていると言えば美しい
でも 掛け替えない温もりはただ 時間の止まった君の世界に
人の笑わない、居ない惑星
この世に独りぼっちの僕に この世に一つの尊い哀しみ
息の絶えるまで共にあろうと 爪で心臓を抱き竦めてくる
気付かないようにしてきたけれど
僕は死ぬまで独りきり 死ぬまでこうして耐えていく
それでも いつかは捨てる哀しみ
火の消えた後に訪れる朝
冷たくなった後の朝
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