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The Girl
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作詞 孤独の邪神『慨』 |
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造られた躰。
造られた心。
造られた感情。
造られた言葉。
そんな少女の現実は辛く苦しく、
時に無惨で非情で残酷で、
そして、切なく悲しく…
生きながらに与えられた地獄の中に、その少女の幸せは無かった…
少女は殺す。命を殺す。人を殺す。世界を殺す。
指を伝わる感触は、唯一の安らぎ。耳朶を打つ絶叫は、壮大な音楽。
遺されたのは、真赤な大地。真赤な残骸。真赤な少女。
少女は出会う。人と出会う。誰かと出会う。何かと出会う。
初めて見る笑み。初めて聴く声。初めて感じる温かさ。初めて想った愛おしさ。
それは少女の最初で最後の“大切な人”。
少女は喪う。また喪う。“大切な人“を喪う。愛を喪う。
手に染まったのは生暖かな“大切な人”の命。
やがてその命は冷え切って、最後の“大切な人“の温もりは永遠に失われた。
眼から流れたのは熱く冷たい透明な水の粒。
少女は死ぬ。少女は消える。造り物は壊れる。造り物は無くなる。
自分は人を愛せない。自分は人を守れない。だけど死ぬ事は怖くない。
ただ、血に染まった幸せを握り締め、静かに眼を閉じて…
揺らいだ心はとても小さく…
乾いた言葉はもっと小さく…
そして少女が魅せた最後の笑顔は、
《造り物》ではなかった…
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