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飛べぬ鳥、死想(しそう)
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作詞 白川 誠 |
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飛べなくなつた鳥は凍えて死ぬしかなひのです
皆遠巻にくすくすと笑つてゐるのです
飛べなくなつた鳥は孤独に身を浸すのです
皆遠巻をぐうるぐうると廻つてゐるのです
闇雲(やみぐも)とコンクリィトの間には如何程(いかほど)の距離
此の侭(このまま)ずっと本当に息が吸ゑなくなつてしまへば良ひのに
マフラァできつく縛りませう
遠くサイレン高く低く
近く何も無し
嗚呼此れ即ち虚無
朱雲(あかぐも)と電車との間には如何程(いかほど)の時間
今は躰(からだ)に朱(あか)の光が刺さつて痛ひのだが其(そ)れすら又運命
碧(あお)の光はまう良ひかい
恐怖焦り怒り不安
全て揃ふと
解放感すら憶へる
誰がぱんどらの箱を開けた
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