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捨て猫。
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作詞 美遊。 |
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気づいたら いつも この風景を観てた
目が見えるようになってから 多分ずっと
ボクは ちっちゃな箱の中から
前を横切る たくさんの大きなヒトタチが
流れるように 消えて行くのを 眺めてた
ボクをなでてくれるヒトや ナニかくれるヒト
ダッコしてくれるヒトに逢えるのは 嬉しかったケド
「でも ダレも ボクを連れて行ってはくれなかった」
ボクの中では 当たり前のコトだったから
ソレを 孤独というのかも知れないケド
ナニも気づかずに 暮らしていたんだ
想い出した 雨が降った日 滴の音で
目が見えるようになる前 多分ココに
ボクと ちっちゃな兄弟がいたコト
かすかな音に ママを探す声 助け求める声
ミンナの声に ボクの鼓動が共鳴してた
ソレから ミンナは ダレかに抱かれ いなくなり
ココに ボクだけが残ったんだ そう 想い出した
「あぁ ダレも ボクを連れて行ってはくれなかった」
想い出してから すごくココロ寒くて
初めて 独りぼっちなコトが 哀しくなって
ボクはダレかに すがりたくなったりしたんだ
最近 ナンだか 箱の外 覗けなくて
ボクの身体は 想うように動いてくれなくて
歩く人影も 立ち止まってくれナイ日が続いて
ボクは 無性に 独りが 怖くなってきたんだ
淋しくて 哀しくて すがりたくて 泣き出したくて
小さくなる鼓動に 耳を澄ませて あえいでた
ママや兄弟が 今 ボクのソバにいてくれたら
「ねぇ ダレか ボクを ミンナのトコに連れて行って」
目の前に 暗闇が訪れて 世界が遠いモノになると
光に透けて 優しい目をしたママが 身体なめてくれた
ボクは 初めて ママに抱かれるコト 出来たんだ
「もう コレでボクは ひとりぼっちじゃナイんだね」
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