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春
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作詞 空美 |
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毎日の階段は みんなに囲まれて
ぎゅうぎゅうで降りていくけど
たった一人で降りる階段は
上靴の音だけが響く
「もう春だねと」笑ったけれど
心では少し寂しいよ
離れ離れになると 心も遠くなってしまう
いつも使ってる机やいすは
下級生のものになるんだと
思ったら もう少し座って勉強したいな
ぐるぐる巻きのマフラーも
今では暑苦しくて 朝はしても
下校になると必ずカバンに詰め込んだ
春が来るのは一段と早くて
この一年もすごく早くて
桜もつぼみから抜け出さそうにしてる
私はこの季節好きだなって思うけど
春は少し寂しいんだよ
別れや出会いも重なって
みんなみんな重なって・・・思い出になる
あいつとこいつとおまえ
去年の春ではそんな風に呼ばれてたけど
今ではアダ名や名字や呼び捨てで
今はすごく仲がいいのに
これから・・・って時にどうして春が来るの?
きれいな桜に八つ当たり
一年間の絵が返ってきたり絵の具や習字道具を
持って帰ったり床に油をまいたりして
ゆっくり遠まわしに春は来てる
どうしてまっすぐ来てくれないの
寂しくなるだけなのに
悲しみが増えるだけなのに・・・
私はこの季節好きだなって思うけど
もう少しだけ もう少し
待ってくれませんか?
私にもう少し時間をくれませんか・・・
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