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秋風
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作詞 星砂 |
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ふと見上げた空は青さを増し
流れる雲は速度を上げていく
西の方には夕闇が迫り
幾年の光瞬いて見える
色付く木立ち達の声
風と共に聞こえてくる
虫達の静かな音色
茜色の中で響く
変わらない歩幅の中で
小さな世界が時を刻む
にわかに騒ぎ立てる記憶が
廻る季節を鮮やかにする
背の低い秋桜(コスモス)は揺らぎながら
水辺の曼珠沙華は先者に祈る
いつの間にか人知れず染まりいく
それぞれの色は二度と巡らない
冬支度する鳥達は
互いを求めて呼び合い
濃淡の空に飛び立つ
今日もまた夜が長くなる
変わらない歩幅の中で
小さな世界が時を刻む
にわかに騒ぎ立てる記憶が
廻る季節を鮮やかにする
月に照らされた紅葉は
辺りに明かりを与える
冷たい吐息を蓄え
新たな色を生んでいく
繊細な流れの中で
ささやかに育まれる営み
風に舞う命はまた次へと
胸に残る色を刻んでいく
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