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魚と水
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作詞 月ノ雪 |
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大切にしていた全てが蜃気楼
夏の記憶は逃げ水のように
足元には散りばめてしまったものばかり
輝いて 映し出して 蒸発してゆく
守りたかったものは次々手からこぼれ落ちて
地上を泳ぐ魚は水を求めて足掻いた
振り向いて見る残像に何度後悔しただろう
ふとした瞬間に響く声がこんなにも愛しい
握り締めた掌 無力なままで
水を失くした魚に空気さえも傷つけた
水面に落とした雫は輪を描き
積もる思いは悲しみの色に
広がるのは水鏡に浮かぶ過去の傷
癒されず 忘れられず 記憶に煩う
積み重なったものは痛み伴う回想だけ
夢路を泳ぐ魚はその痛みさえ望んだ
求めるものは貴方という水
私が存在するため なくてはならない存在
たとえ幻であったとしても
繰り返し見る残像に何度涙したのだろう
ふとした瞬間に見せる影がこんなにも恋しい
握り締めた掌 無力なままで
水を失くした魚に空気さえも傷つけた
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