|
|
|
路地裏
|
作詞 朔-saku- |
|
気付いたときには檻に入れられて
名前はなかった
端から順に値段付けられて
自分はいくらだ
檻の外から目を大きくして
見守る人たち
決まった時間に餌与えられ
美味くはなかった
必死で吠えて飼われたくって
追いかける馬鹿
そんなことしたってどうにもならない
俺は知っている
生まれて数ヶ月 半年越したら
どっかに連れてかれる
ずっと吠え続けてる馬鹿は知らない
連れて行かれる先を
そこへ行った奴はここへは
二度と帰ってこない
あれは生まれて五ヶ月目
あと一ヶ月だ どうなるだろう
飼われたくもない いきたくもない
ただこの一つの望みを聞いてくれ
『ここから出してくれ』
隣で吠えてた馬鹿が売られてった
その隣も またその隣も
ただ一匹取り残された俺
これからいく先はあの場所か
目を開いて気付けば
檻の外から俺を引きずり出す腕
やめてくれ離してくれ
あんな場所にはいきたくない
強引に引っ張る手を蹴飛ばして
ただ猪突猛進に脱け出した
走って 走って ひたすら息切らして
これからいく先など知れずに
千切れそうな足を引き摺って
前途多難だと知りながらも
―\―\―\―\逃げた―\―\―\―\
―\―\―\―\走った―\―\―\―\
街行く人の知れぬ細い路地裏
一匹の動物が倒れていた
この先がどこかも解らずに
|
|
|