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葬送夜想曲
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作詞 夕汰 |
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君のお通夜が行われました。
僕は涙というものを忘れてしまったのか 壊れた魂で微笑んだ。
黒い、黒い闇を纏った人々がそぞろ歩きで
同情するような目で僕を憐れんだ。
ひそひそ、と噂\をする声が聞こえてくる
「まだ式前だったんでしょう?」「可愛そうねえ…。まだ20歳なのに」「大丈夫かしら…あの子…」
僕は酷く遣る瀬無くなった。
君の体が火葬される前に 僕は最後のお別れをした。
「百合子…」
僕にはまだ百合子が生きている様な気がして、
彼女を連れて駆け出した。
お義父さんとお義母さんと、大勢の声が
遠巻きに聞こえた。
僕は幻を見ました。
彼女が笑って僕の手のひらを握って
「大丈夫よ。」
そう言ってくれてる様な気がしたんだ。
僕は何時の間にか自宅に来ていて、彼女をベッドに寝かせてた
彼女の姿はまだ、美しいまま…
長い髪と白い横顔が そこに在る
その時になって、僕の頬に熱い涙が伝った。
「百合子…百合子…百合子…」
僕の横には彼女の両親が、気づかぬ間に立っていて
僕を抱きしめて、泣いてくれた。
あの頃にはもう戻れない。
犯人を憎む気持ちは増殖する、ばかり。
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