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両の手。
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作詞 かのん。 |
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花に
陽を求めて
水を求めて
あなたに繋がれる花に?
けれども私は花でもなく
雨だれは
ただただ落ちては舞い上がるので
失うことが
いっそ奇跡になってしまえば
泡沫のわたしになれるのに
在りもしないはずの永遠を届けましょう
抱きしめるあなたの前では
こんな戯言など錆び付いてしまいますので
動けずにいるあなたを
せめてこの両の手で
この両の手で
繋がれた空気が
微かに揺れるだけでも
わたしはいなくならないという我儘
柔らかい呼吸を
昨日が亡骸となるの?
ひなたの無い今が
全てでも
大丈夫でなくても
なみだなら
幾らでも掬い上げて
土に還すから
この両の手で
両の手で
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