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分かれ道
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作詞 星の雫 |
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桜が咲くにはまだまだ早すぎて 代わりに満開の梅が僕を待つ
時々思い出したように吹く風の 寒さに身を震わせコートの袖口を握り締める
異様に軽い 空っぽのカバンが右肩で揺れる
長年通い続け 妙な起伏すら体に染み付いたこの道とも
今日がきっと最後なんだね
教室へ行けば悪友の一人が いつものように後ろの方にポツンと座っている
互いに姿を確認して“ニヤリ”と含み笑い
日常茶飯事のふざけ合いも 今日はちょっとノリきれない
一緒にいたりバラバラになったり
だけど楽しかった想い出の中には必ずあいつ等がいた
照れくさ過ぎて絶対に言えないが 心の奥で呟く「ありがとう」って
有り難味の欠片も無い担任の話しが終わる
今まで無茶苦茶な事しか言ってなかった奴ではあるが
何故だか今日は胸に言葉がつっかえる
溢す涙が勿体無くて
窓から空を見上げれば生憎灰色模様
遅すぎる雪がちらついて
何ともまぁ、不吉な旅路の始まりのようだ
そういえば去年の今頃も
こんな雪の中先輩達を見送った
時は思いのほか早く流れて
今年は遂に自分の番か
お互いが知らない道を歩んで行く
共に刻んできた思い出に別れを告げて
とりあえず20になったらまた会おうか? その時までは「さよなら」
帰り道 いつも別れる十\字路の分岐点
お互い短く「じゃっ」っと言って背を向ける
明日からは未知の導を歩むけど
またいつか 互いに含み笑いを浮かべて会えるその時を信じているから
いまこの瞬間は「ありがとう」「さよなら」「元気でな…」
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