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◆ 二月下旬の吾木香 ◆
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作詞 k×k |
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目の前で今微笑んでいるのに、手を伸ばすと届かない。
夢だから。 夢だから。
永遠に眠れ、かの森の姫。目覚めてもイイコトなんて一つもない。
そんな暗示に惑わされるもんか、と、目を開けてみればやっぱりきれい事だけの世界じゃなかった。
そんな世界に、私は生きている。
答えが見つかりそうになり、必死に計算して必死に考えて導いた答えさえ、今、目の前をよぎっていくの。
いつか、全部集まるの?
好きも嫌いも全部平等ならいいのに、世界は嫌いの方が多い。
なんで、と、問うた。答えは目の前をよぎっていった。
やっぱり、私はまだ見つけられない。
全部の答えを知りたいとは思わないけれど、何も知らない無知なまま。
本当の好きも、本当の嫌いも、まだまだ私にはわからない。
雨が降っている。 固い固い地面の上。
命を育むために流れた雨も、今ではもうただの水だ。
届かないから、追いかける。追いかけるから、届かない。
じゃぁ、どうすればいい? そう思って、また同じところで立ち止まる。
失望はしていない。ただ、迷っているだけで。
これからの道を考えれば考えるほど、この先の未来に予\想がつかなくなっていく。
好きという意味がいつか解れば、また昔みたいになれるのかな。
惑わされる夢の中。やっぱり答えは目の前を、うまい具合に抜けていった。
手を伸ばしたら、すり抜けた。
片手で水を捕まえてるみたい。 どうすれば、捕まえられるの。
いつもいつも、新しいことに迷って踏みとどまって、おそるおそる一歩ずつ歩いている。
だから、物事ができるだけゆっくり過ぎてくれればいいと思う。
だけど、かなわない。
目を開けた先には、幾千もの道が拡がっていて、その中のどれかに好きの意味があるのかどうかすら、わからない。
地図が有れば、歩いていけるのに。
二月下旬のわれもこう。
ただ、咲き乱れては過ぎていく。
時の流れと同じ早さで。
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