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優しいコ
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作詞 まぬけザル |
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満員電車の中
つかれきった女の子が座っていました
窓から夕陽が差し
車内を赤く染めていました
その子の前に
腰の曲がったおじいさんが立ちました
女の子はだまって席を譲りました
しばらくしておじいさんは降りました
女の子はまたその席に座りました
今度はその子の前に
杖をついたおばあさんが立ちました
女の子はまた黙って席を譲りました
しばらくしておばあさんは降りました
女の子はまたその席に座りました
二度あることは…と言う通り
女の子の前にお腹を大きくした妊婦が立ちました
可哀想に女の子は
今度は席を譲りませんでした
次の駅でも次の駅でも
女の子は座ったままでした
身をこわばらせ
唇を固く結び
座っていました
優しい心の持ち主は
望もうが拒もうが
いつでも受難者です
それは
人の痛みや辛さを
自分のことのように感じるから
女の子は座ったままどこまで乗って行けるでしょうか
うつむき
罪悪感にさいなまれながら
綺麗な夕焼けも見ないで
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