|
|
|
願い事〜Last Statement〜
|
作詞 中雄 |
|
暖かいベットの中で目が覚めた
痛みが消えてゆく中で 彼女の流した涙が
冷めてゆく手にこぼれて
死を目前としながら 笑顔が絶えない
そんな自分が悲しくなった
もうすぐこの世から消えてゆくのが怖くなった
だから僕は愛しい彼女に五つの願い事をする
「愛しているともう一度言ってよ」
あなたは何の躊躇いも無く
「愛している」と言ってくれた
「泣き顔は見たくないから笑って」
涙を拭いて精一杯の笑顔
その優しい笑顔を脳裏に焼き付けて
輝いたその潤んだ瞳の奥には
衰弱してしまった 哀れな自分の姿が写っている
魂が離脱する感触を覚えた
そっと頬を撫でた 愛しさを感じながら
もう自分には 温もりが与えれず
死神に抱かれた自分の体が 少しずつ色褪せる
終わりを迎えるまでの僅かな時を二人で
「君の温もりで僕を包んでくれ」
愛が篭った最後の抱擁
死に際に小さな希望に包まれる
「僕のことを永遠に好きでいて」
何も言わずにあなたは
ゆっくりとうなずいてくれた
最初で最後の五つの願い 奏でられた死の旋律を前に
五つ目の願い事 あなたは初めて僕に抗った
「僕に苦痛を与える事無く殺してくれ」
あなたはそれを実行しない
彼女は身勝手にも自分の願いを叶えた
「死ぬなら私と一緒に死んでほしい」
|
|
|