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Victims
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作詞 朝日 睦 |
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『いいか、俺を殺せ』
その言葉を信じて、あいつは俺を刺した。
俺は気が付いたら天国らしきところへ。
下を覗くとあいつがいた。
あいつは正義感が一番強いがために
俺なんかを殺してあそこにいる。
俺を信じてそこにいる―――。
『いいのか、お前を殺して』
最後に聞いた言葉を、思い出す。
あいつの表情は哀しいほど必死だった。
あいつは気付いただろうか?最後に呟いた言葉。
『これでお前は犯罪者だな。』
あいつは正義感が人一倍強いがために、
すべて悟って、すべて受け入れた。
犠牲者は誰だ?
何で俺みたいなのが此処にいる?
何であいつが下にいる?
俺はあいつが嫌いなんだろう?
疑問が溢れて止まない。
正義感が人一倍強いあいつが、
あんなところで泣いている。
誰のため?
何のため?
俺が死んだから?
俺を刺したから?
俺のためなのか?
此処は凄く良いところだ。
哀しいはずがない。
なのに、
もう形さえない涙が流れている。
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