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失敗
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作詞 ゴジラ |
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日焼けに失敗した君。
小麦色を通り越して、もう真っ黒だった。
この時期に外なんて出歩くからだよ。
言っても君は僕を見ないで、いつまでも無視し続けた。
顔も腕も胸も足も、服までも黒かった。
日焼けに失敗した君。
だけど君は泣き言一つ漏らさず、表情すらなかった。
だから代わりに僕が泣いてあげた。
2人分の涙は、なかなか止まらなかった。
そんな僕を君は見ないで、空を見ていた。
なるべく白い砂を選んで君に被せた。
全身が隠れるまで被せ続けた。
明日になって、この砂が君の肌の色を吸い取って、
元通りになった君が立っていればいいのに。
君は明日も明後日も、1年後も其処で眠っている。
日焼けに失敗した君。
辺りを見渡せば、君だけじゃなく多くの人が真っ黒だった。
一人じゃないよ。
淋しくないね、良かったね。
みんな一緒だね。
僕ももうすぐ仲間になるんだろうね。
普段使うそんな言葉が、今ばかりはどうしても言えない。
君への言葉が、全て過去形になりそうで何も言えない。
息もできず、瞬きもできず、指一本動かせず、
強制的に体を黒く焼かれ、数少ない服はボロボロにされ、
もう僕も空も見ることができない君を。
日焼けに失敗した君。
僕は泣いて君を埋める以外、今日は何もできなかった。
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