|
|
|
赤イ雨
|
作詞 大和屋隼音 |
|
もう届かない 僕の声は闇に消え入るだけ
だから、せめてこの西陣を
あの方が好きだった 赤い赤い色をしたこの布を
墓前に手向けておいてやって下さい。
何もできなかった。
刃毀れした 使えない業物のような僕からの
せめてもの、罪滅ぼしだと。
伝えておいてください…
この布は、二人で見た夕日の色になんとなく似てると思って。
でもよく見たらこの色は、あの方の血の色のようだ。
頭がふらふらとして上手く立てない。
そうだ、あの方が斬られる姿を
ただ、呆然と見ていたこの役立たずも
あの方を斬ったものと同じ刀で
額の端をやられていたんだ。
滴る血が、眼を覆う。
雨が降っている。
赤い雨が。
もう終わりなんだ。何もかも。
僕もあの方と同じ場所へ行けるといいな。
_サヨウナラ。
|
|
|