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両手
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作詞 空繰技師 |
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よく聞いたり見たりして知識だけ増やして
同じ言葉だけ覚えて繰り返した
『誰かの涙 この詩でそっと救ってやる』なんて
救われない勘違い 気付かず歌っていた
昨日交わした会話でさえ忘れている癖に
大切なのは言葉 真剣に言えたもんだ
存在の軽さにならばとっくに気付いてるよ
気付かないふりして生きていたいだけ
明日になったら『きっとやれる』とか
大空飛べるようになるとか
手にしたら零れてゆきそうな
あいまいな空想が怖かった
心が見え透いた嘘つきなそれらを壊した
だからさ ここには凍える冬の寒さしかない
暖めてくれるのは この両手だけ
生涯死んでいくためだけに生きているなんて
「報われないからまっぴらゴメンだ」と
両手を大きくあげて大袈裟なジェスチャーで
否定しても肯定して生きるしかない
これから先に伸びる道は数十年
長すぎるよな短いよな
何かできそうで何もできなくて
やがてくる後悔が怖かった
涙が見え透いた嘘つきなそれらを映した
そこには 残酷な真実しか映らなかった
「老いた姿が見えた」 それだけ
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