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哀... ァィ...
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作詞 魔術師 |
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――――― ふと、考えた。
誰かの為に生きる自分なんて
もしかしたら必要ないんじゃないか、と。
それでもこの世界で生きている自分は
この上ないぐらい、
申し訳ない存在なんじゃないか、と。
いいや、考えるとしたら
生きている価値さえないではないか、と。
考えても、答えは出ないというのに。
――――― ふと、気が付いた。
長い道を歩いてきたはずなのに
私は何も持っていないではないか、と。
歩いてきた道のりのほとんどは
意味など持たないものだったのではないか、と。
私の見てきた人たちは
私など見ていなかったのではないか、と。
愛しい人が、いるというのに。
――――― ふと、思った。
口では愛してると言うことができても、
本気を理解してもらうには
どうしようもないことなのではないか、と。
強い思いを伝える術など、
私は持ち合わせていないのではないか、と。
私は誰からも、
愛されることなく滅びるのか、と。
そんな事、分かり切っていたというのに。
――――― ふと、不安になった。
私の存在は、
誰にも見えていないのではないか、と。
私の祈りは、
誰にも届かないのではないか、と。
私の叫びは、
誰にも聞こえないのではないか、と。
その答えの全ては、
自分自身が一番知っているというのに ―――――。
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