|
|
|
タナトス
|
作詞 朔軌京哉 |
|
「1回目」 小さく君が呟いた
振り向いて気が付いた 僕のシャツの紅いシミ
それから少し困ったように
首を傾げて微笑みかけた
「痛くない?」
無表情に君が聞く
僕はまた、ちょっとだけ笑った
「ちょっとね」
「・・・2回目」
次はさっきより痛かった
細い指に血が伝う 銀色の光が覗いた
どうしてか解らないけど
君はちょっとうつむいてた
「痛いでしょう?」
震える声で君が聞く
少し頭がくらくらした
「そうかもね」
君はついに泣き出して
何度も僕の胸を叩いた
優しく髪を撫でてあげると
泣きやんで、ぽつりと言った
「ごめんなさい」
「・・・・・3回目」
真っ赤に染まった君を見て
少しずつ、目の前が曇って
真っ暗になって
君が消えた
|
|
|