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焚き火前にて
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作詞 薛邨 葵里 |
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冷えきった両手を溜め息と一緒に焚き火の前に
「そこの寒がりの手を握ってやれよ」って
夕焼けの空に言われた気がして・・・
冷め切った心を溜め息なんかで表してみて
そこの寒がりの手を温めようかとその
小さめの手とか握ってみたりする
哀しいとか退屈とかそんなことじゃなく
ただその夢を失いそうな弱りかけの両手を
この寒さと一緒に消したいだけで
「ありがとう」よりも先に「ごめん」が
出てくることを僕は知っているから
「かまわない」なんかじゃなく「いいよ」と
伝えてから始めようか
冷えきった両手と溜め息が一緒に焚き火の前で
「そんなオマエラはもう見てらんないよ」って
こっちに向けて言った気がしてる
強がりならもういいから、それどこじゃないぞ
駄々その両手差し出すだけ。弱りかけのそいつを
この寒さごと暖めてやるから
「ありがとう」の言葉には「ごめん」が
含まれていて。僕は知ってしまった
その言葉に潜んでる小さな
その手に似た優しさを
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