|
|
|
写真と過去
|
作詞 灰氷 |
|
また引っ張り出してしまったよ
この、アルバムを
大きくも厚くもない
写真の少ないアルバムを
君の写真嫌いの理由を聞いたのは
もう2ヶ月も前のことで
君の言ったことに
少し感動したのを覚えている
『いっぱいの素晴らしい瞬間を、静止画で残したくない。
今、とても幸せだから。
何よりも感覚的に記憶できる自信があるから。
耳に。目に。手に。そう、僕自身に。』
そんなところが好きだったけど
別れてしまった今となっては
こっそり撮った横顔や、寝ている君の気の抜けた顔
それしか残っていなくて、寂しくて
そして
カメラマンはいつも私だったから
二人で写っている写真が一枚もなくて
もう何年かすれば
二人でいた現実すら消えてしまう気がして
また引っ張り出してしまったよ
この、アルバムを
大きくも厚くもない
写真の少ないアルバムを
|
|
|