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春の種子
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作詞 ミラ |
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「綺麗な棘を触らせて」
草薮を掻き分ける
君が探していた
茎には呪い
花には想い
見掛け倒しの春が来て
丁度良く冬が枯れていく
茎には呪い
花には想い
連れ去る
連れ去っていくよ
超常の四季の中
海が果てに見える
海は世界の端
寒さに負けて包んだ僕らを
暴くかの様に奪い返す
空から僕らを奪い返す。
傷だらけの手で
それでも探し続ける
いつか芽吹くのだと
その種子になるんだと
つまり言葉は呪文
継ぎ剥ぎでも伝わるもの
膝を汚して微笑んだ
君が見つけられなかったもの
連れ去って
あの気象の中へ
超常の四季は綺麗で
美しさを掛け替えて
美しさの色で染め直して
綺麗だと笑った君を攫い隠す
空より僕らを攫い隠す。
間引いた言葉じゃ
なにも届かない
正体の分からない純情に
君はずっと怖がっていた
準えて
言葉に
準えて
心に
準えて
逸脱した
春は身勝手で
準えて
衝動に
準えて
例え話に
準えて
逸脱した
春は幼くて
連れ去る
連れ去っていくよ
君を満たした 光にも似た想いが
闇の中の渦を劈いていく
冒険がいつか終わる日に
ありえないほどの寂寞の中で
重心さえ失ってしまうほどの
純情を携えて
海は僕らを奪い返した
軌道上の空から
海は僕らを奪い返した
超常の四季から
春は芽吹く
君の埋めた種の子として
春は産まれる
刃にも近い心で育てた
君の子として
綺麗な棘を、触らせて。
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