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灰の月兎
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作詞 Ibu |
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これはモノクロのお話
月の様な世界の話
僕は運が良かったのでしょう
そんなお話を見てくれるかな
世界がこんな風になる前は
僕も日常を送っていた
でも二十を超えた時
僕は少しの眠りにつく
起き上がって誰もいなくて
彷徨う老人とは僕の事だろうか
外を出た時、絶句した
跡形も無い惨劇のジオラマを
月を呼吸して
少し息が苦しくなって
それでも誰かいないかと
絶望の街々を歩いた
旅人に出逢い、話をしたんだ
「全てを知る術を知らないか?」と
彼は笑って受け入れて
意気投合をしていた
「場所はある、でも付いていけない」
そう云って地図を書き記してくれた
「出逢う事があったのなら」
そうだね話をもっと
そう思ったよ
昔話に出てくる様な
そんな月兎が憎ったらしく感じて
それでも歩いたずっと
その目的地迄ずっと
月の方が
輝きを感じる頃合いに
それでも僕は知りたいんだと
まるで僕も旅人の様
記し人と出逢い、訪ねてみたんだ
「君が全てを知る者なのか?」
すると本を閉じ
僕に覚悟を提示させた
「望むのなら、与えてやろう」
そう云って此処迄の物語を
「全て本当だよ」
そう云い彼は
朗読を始めた
始まりがあった事
戦争が二つあった事
それに巻き込まれた事
生き残りが少ない事
でも一番の衝撃は
全ての始まりは
僕の眠りからだった事
僕は言葉を失った
罪を知り、法然としている時
「最後位書き記せば?」
彼はそう云うと
白紙の本を渡した
「そうだな、もし書くのならば」
そう云って僕は昔話を
「灰の月兎」
それがいいや
そう書き記した
月兎は昔話だと
沢山の物語があったと
ならば僕もその物語をと
月兎に睨み付けて
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