いつだって大きな手を　私に差し出して
握り返すと　悪戯っぽく笑う
そんな日常がきっと
明日も来ると思っていた


離した手は　もう二度と戻らないけど
それでも私は――


ふとした瞬間に　あなたの姿が見える
まだ私の側にいる気がして
振り返って　追いかけてみても　あなたはいない
あなたにさよならできても
あなたを好きな私にまだ　さよならできない


寂しくなると　ぎゅっと抱きしめてくれる
触れる体から　伝わる高い温度
何もかもが愛しくて
ずっとこうしていたかった


あなたの温もりは　もう消えたけど
それでも私は――


ふとした瞬間に　あなたの声が聞こえる
「愛してる」って言った気がして
枯れるまで　呼んでみても　返事はない
あなたにさよならできても
あなたを好きな私にまだ　さよならできない


あなたは一体いくつ　忘れ物したの
もう二度と取りに来ないくせに
捨てようって　手にとって　握り締めて　また泣いて


あなたにさよならできても
あなたを好きな私にまだ　さよならできない