白黒テレビ「しろ」の一生
作詞 たた
一つ一つ小さな部品達が
僕を繋ぎ始める
組み立てられて出来た形が
四角くてがっちりとした体型
僕は小さな店の奥に
ひっしりと住んでいる
何度もみてきた朝昼晩
いつも少し違うけども
もう見飽きてきたよ
そういう目で僕も見られてるのかな?
小さな店に立ち寄った家族が
僕を連れていく
広い広い部屋とは言えないけど
家族四人と一台には十分だった
僕に話しかける弟君が
「しろ」しろ…と呼び続ける
何度もみていたこの光景
いつみても見飽きないな
けど、見飽きたなって
そういう風に僕をみているのかも
リモコンの奪い合いで喧嘩したり
僕が調子悪いときにはバンバン叩く
そんなあの日を思い出したって
「しろ」なんて呼ばれていた僕はもう
「ガラクタ」になってしまった
もっともっと見せたかった
ドラマがあったのに
ごめんね 僕はもう 動けないんだ
暗い視界が涙で歪んだ 気がした
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