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レキシ
作詞 蘇季
月の導く方へと歩みを始めて
もう数十年の月日がたった頃
僕はすべてをなくした。

ガラクタになってしまった僕を
見つけてくれたのは君で
笑顔で差し出したプレゼントは
見覚えのある仮面でした。

一度張り付いて、
はがれなくなった笑い顔に
君は悲しげに
微笑む
月が遠い日のこと。

アルファルドをさがして
心臓の音に耳をすませば
懐かしさに似た
悲しみが
足下へと帰ってくる

積み上げてきた
城壁は崩れたものの
代償として奪われたのは
培ってきた糧と想い

いつしか目を覚まさずに
声も出なくなったこと
隠してきた鮮明な旋律
誰も知らない未開拓地

星空がやけに遠く
独りに感じる
「だれかいませんか?」
叫んでも応えはない。

君にも聞こえるだろうか
鈴の音とあの約束
もう守れそうにないと
どうか、ゆるさないでほしい。

突き進む毎日だけが
僕を揺り動かして
いつか、この長い旅を
すべて夢だったと言ってくれ。

眠れぬ夜には
君を思い出すけど
目の前には誰もいなくて
いつも立ち尽くしてしまうんだ。

失ってきたものがあまりに多すぎた旅人は
どうぞ、立ち寄ってくりゃしゃんせ
「この瓶をお一ついかがかな。」
中にあるのは、あなたの記憶。
僕と同類になりたくないなら

「大切にしておくれ」

踏みしめて歩いてきた道が
一瞬のうちに夜に奪われて
抱きしめていた昨日までの日々だって
この両手から滑り落ちていった
それはまるで
残りの時間がわずかにしかない砂のように
この両手の中を繰り返し
眠るように流れてしまう

星が見える方へ走り出した日には
涙と腐食した心が混ざり合って
今日もまた僕の頭上にだけ
黒い雨が降る。

少しずつ溶け出す指先の向こうで
悲しげな笑顔がまた脳裏にちらついたまま
風に溶けていった。



―彼のたどった道筋は、誰かが踏み歩いていく―
それはこれからも・・・。

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公開日 2014/11/09
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コメント 物語のようなものになったなあ
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