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感情心
作詞 心菜
「どうして笑ってるの?」

純真無垢な笑顔を浮かべた
幼く背丈の小さな男の子が
私の元へ駆け寄ってきた

私は答えた

「楽しいからだよ」

君は言った

「じゃあどうしてそんなに悲しそうなの?」


心臓が大きく脈打ったのがわかった

私がそれに気づいてほしかった人には
全く気づいてもらえなかったのに
どうしてそんなに幼い君には
わかってしまうのだろう


君は続けた

「悲しいときは笑わなくていいんだよ」

人間の感情である『喜怒哀楽』はなく
その内の『楽』の感情でしかつくられなかった私
『感情』というものを 
『心』というものを知らなかった


私は尋ねた

「じゃあ、どうすればいいの?」

穏やかな瞳を私に向け
小さく優しく微笑みながら

君は答えた

「悲しいときは大きな声で泣けばいいんだよ」


君は続けた

「泣くことは弱さじゃないよ 
 
 強くなるための一歩なんだよ」

春に舞い散る桜吹雪のような
夏に涼しく響き渡る風鈴のような
秋にホッと温まる焼き芋のような
冬にコタツで食べる蜜柑のような

心の奥の冷たいところに
暖かさを求めていた悲しいところに染み渡るような

ほんのりと暖かい君の言葉が胸に響く


恥を忘れ 何もかも忘れ
自分よりいくつも年下な君の前で

我を忘れ 君にしがみつきながら
赤ちゃんのように 大粒の涙を流し続ける


こんなに暖かい人間が まだこの世にもいたんだ


信じては裏切られ 
また信じては裏切られてきた私に

訪れてくれたひとつの奇跡


君は言った

「僕はずっとそばにいるよ」

私は言った

「ありがとう」


そこで私は始めて
『喜怒哀楽』を知った

見放されたと思っていた神がくれた
最初で最後の最高級の贈り物


それが 『心』と『感情』 だった

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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公開日 2007/09/06
ジャンル 荅鐚鐚
カテゴリ 綽吚
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