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三日月の竪琴(リラ)と共に
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作詞 あかさてな |
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当て所もなく 流れ流され
彷徨い往くのは東か西か
僕はその日暮らしのジプシー
夜も更けた森の湖の畔
質素な夕餉を食べ終えた後の
焚き火に枯れ枝を一本ずつくべながら
長き年月に渡って爪弾き続けてきた
月の女神の装飾を施された
白銀色の竪琴(リラ)を手に取り
徐(おもむろ)に弦を指で掻き鳴らし
幼き日々の想い出を懐かしみながら
即興で言葉を紡ぎながら歌い始めた
此の大陸の辺境の更に辺境の地
急峻な山間の谷間にひっそりと
大して住まう者も居ない小さな集落
今は誰も住まう者も居なくなって
閑散とした廃墟と化した我が故郷(ふるさと)
まだ世界の広さも知らなかった幼き頃
誰も足を踏み入れる事も無くなった
鍾乳洞の奥深くにランタンを片手に
入り込んだあの日、小さな池の中に
眠る様に落ちていた白銀色の竪琴(リラ)
月の女神の装飾が透き通る様な声で
歌う様に語り出した此の世界の広さに
思わず恋焦がれて其の語りに魅入られ
三日月の竪琴(リラ)を拾い上げると
日銭で稼いだ僅かばかりの財産と
身の回りの道具を一式図多袋に詰め込み
そうして故郷(ふるさと)を遠く離れて
三日月の竪琴(リラ)と共に流離いながら
僕の旅路はいつ果てるともなく続いて往く
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