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ガブリエルの福音
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| 作詞 あかさてな |
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此処は此の都会(まち)一高級なナイトクラブ
此の都会(まち)の創建時より教会と共に在りし
最も古く由緒正しき歴史あるナイトクラブ也
其の名を「ガブリエルの福音」と名付けられし
ハイソサエティ(上流社会の社交場)で在り
此処に入れし者は会員と成りし名士達だけ也
此のナイトクラブには身元の確たる女性達のみ
勤める事を許され、皆が皆適性に合った
勤めをこなして居る、美女である事が前提であり
或る者は知識と教養を用いて名士と会話に興じ
或る者は優れた運動神経を武器に華麗に舞い踊り
或る者はお酒への強さを以て名士とグラスを交し
或る者は料理の腕前を揮って名士に御馳走を出し
此のナイトクラブに勤める者達の中に一人
一際其の存在が輝ける美少女居りて其の名を
知らぬ者無しと謳われる迄に僅か半年にて
一人で踊りも歌も会話も殆どの事を熟せるにては
何時しか“ラ・ウェニュス(金星の女神)”と
呼称される迄に成りし“ソフィア(叡智)”なる
最年少の少女、金髪碧眼にしてモデルの如き
九等身のスレンダーなスタイルに麗しき顔(かんばせ)
其の少女、ルックスだけでは無く性格も好く
誰からも愛されるナイトクラブ一の花形と成り
夜毎名士達からの指名も絶えず其れに応え
先輩である他の女達からも可愛がられ
常に慢心する事無く謙虚にして愛嬌も欠かさず
然して此の美少女、実は孤児にて身寄り無く
とある理由から孤児院を訪ねてきた女主人(マダム)が
美少女の里親と成りて身元を引き受け
実の娘の様に時に優しく時に厳しく育てた者也
美少女も又、女主人(マダム)を実の親の様に慕い
其の期待に応えようと日々精進を重ねていった
今夜も又、最高級ナイトクラブ「ガブリエルの福音」
会員足る名士達を迎え入れ、薄紅の夜明けが来る迄
賑わいが途切れる事無く、其の営業を続けたり
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