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カッター
作詞 フリーク
大きな捻れが僕を巻き込んで
誰にも分からないように僕を壊した
頭に黒いものがこびりついたまま
傷のない両足を引きずって歩く

救難信号は出せるんだけれど
助けが来ないのは分かりきってるんだ
弱虫の僕にしかつかないようなヒビは
外側の誰かには見えもしないんだ

だから
僕はカッターを使うんだ
もう戦いたくなんてないんだ
鈍感な人にも見つけてもらえるよう
深く鋭く切り裂いておくんだ



黒いものが目と耳にうつったみたいで
雨上がりの虹ですら濁って見えるんだ
部屋にこもってても人を傷つけるだけで
耳が壊れるような町に飛び出すしかないんだ

だから
僕はカッターを使うんだ
もう声も顔も忘れていたいんだ
体中真っ赤に上書きできるよう
深く鋭く切り裂いておくんだ



傷口と足枷が増えていく
赤を黒の上に塗ったって
もっと汚くなるだけだ
そう、分かってる
分かってるんだ…

口をこじ開けて出すメーデー
青くなっていく君 そして僕
耳に届く言葉は震えていたけど
久しぶりに白が響いた気がするんだ…



だから
僕はカッターを使わないんだ
まだずっと黒の方が濃いけど
できる限り綺麗な色にできるよう
浅く柔らかく君と触れ合うんだ
僕はカッターを使わないんだ
わざわざ黒に染まらなくたって
元の僕の色に戻れるよう
浅く柔らかく君と触れ合うんだ

僕は
僕は
僕は
もうカッターは使わないんだ

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公開日 2021/08/23
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カテゴリ 腓鞘馹
コメント 皆が思うほど痛くはないんだ。自分の腕を切るのって。
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