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テンサイソウ
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作詞 Ibu |
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あの時食べていた甜菜
味が沁みついて離れなかった
その言葉と似ているその争いを
僕は天災と名付けた
草々に囲まれて、ここは現実かと問いかけた
天獄という場所に立っていた僕は
ふと頬を抓っては、
「ああ、僕は死に絶えたのか」と悟った
この場所に立つまで僕は
灰色の世界に立っていた
その中で僕は転載を繰り返し
人々に現実(いま)を伝えていた
嘗て、天才と言われた自分も
こんな仕事(こうどう)に流れ着いて
「こんな危なっかしい事やってられるか!!」と
愚痴を溢し、今日も甜菜を齧った
食べた数だけの甜菜が僕を囲んでいた
上にも下にも横にも道は無かった様で
只居られる場所こそが
「ここだけなんだな」と呟いた
その場所を知る迄は僕は
灰色の時間を過ごしていた
その区切り区切りを紙にした
其れが天才だから出来た事なのかな?
嘗て、天才と謳われた自分も
こんな仕事(こうどう)ぐらいしか僕にはできなくって
「何故こんな事をしなくではならない!!」と
神に投げ捨て、仕事(こうどう)を放棄した
そんなこんなで僕は逃げ出し
戦争から目を逸らして生きようと思った
思ったのに、その秒の核は
皆だけでなく僕にも向けられていた
嘗て、平和と謳われていた場所も
灰から灰へと塗り潰して回った
「だから此処に居たくなかったのに!!」と
嘆いて僕は塵へとなった
その、終末と言い換えられるこの結末は
まるで子供の落書きの様にさ
玩具を捨てられる火の様にさ
はい、終わりですと最期に記事を書いた
此処は僕の最期の夢の中だそうで
だからだろうか、草原として広がっていたのは
最期に見た色が現実の灰色ではなく
夢の緑のテンサイソウで良かった
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