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終章の花のアリア
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作詞 RAi. |
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「私たちは終わるために産まれてきたの?」と赤い花が訊いた
「命を次に繋ぐために産まれてきたのだ」と青い花は答える
「いいえ、幸せになるために産まれてきたのよ!」と黄色い花が怒った
「答えは無数にあり正解はない」と白い花は呟く
「そもそも消えゆく我らにその議論は必要か」と紫の花が問う
「終わる今だからこそ考えるのよ」と薄紅の花は笑った
「終わったら僕たちはどうなるの?」と橙の花が続ける
「それは分からない」と皆が同じ答えを返した
「それなら、私はあなたたちに会うために産まれてきたと思いたいわ」と赤い花は周りを見渡す
「様々なものを見聞き出来た、いい命の時間を過ごせた」と青い花は言う
「色々あったけれど、今とても幸せだわ」と黄色い花は満足した
「まだ終わるのが惜しい」と白い花は自らに与えられた時間の短さに嘆く
「こうやって終わりに向かう今この時、君たちと話が出来る時間が尊い」と紫の花が語る
「今までもっとあなたたちと話をすればよかった」と薄紅の花が残念そうに呟く
「僕も会えてよかったよ!きっとこの花壇がなくなっても、誰かの思い出には残るね」と橙の花が泣く
「そうだといい」と皆が顔を合わせて頷いた
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