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ファッキンピエロ
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作詞 椛 |
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「これが僕の集大成です」
にこやかに彼は語る
向けられたカメラの光
ブレイクの秘訣話す
「今度本を出します」
得意げに彼は語る
向けられたマイクに向かい
薄い武勇伝話す
しらけた眼では見ちゃいたけど
意味がわからない
持ちネタも生き方も僕は
理解したくない
たった百数十ページ並の生き方晒して
したり顔かます彼はむしろピエロが如く
まっさらなページ紙の余白を潰して
ヘタレ焚き付ける彼はむしろピエロが如く
「これが今のトレンドです」
鮮やかな広告は言う
新しい物好きのギャルが
ヤバいと騒ぎ始める
「ほんとまじで映えるから!」
皆スマホに夢中
覗き込む都会のゴミ箱
カラフルな砂糖の山
買った楽な承認を無為に消費して
次のネタ探す彼女まるでピエロが如く
飽きたトレンドネタをすぐ忘れ去って
暇に溺れてる彼女まるでピエロが如く
開けた心を持ちたいけど
目線は液晶
何があろうともまずは
#拡散希望
ふと本屋に入ってみたら
あの芸能人の本があった
平積みのまま棚は放置され
テレビでももう彼は見ない
やっぱり
百数十ページの生き方晒して
したり顔晒した彼はピエロが如く
まっさらなページ紙の余白を潰して
ヘタレ焚き付けた彼は今や裏方が如く
人生、たった7センチの
厚さに収まるのかい?
人生、映えることばかり
見つめてもらえるのかい?
行間で殺した何気ない一言
投稿を制した地味目な出来事
そんなものが重なって人生なんだろう?
いいとこ取りばかりはもうやめておけよ
買った楽な承認を無為に消費して
次のネタ探す彼女まるでピエロが如く
飽きたトレンドネタをすぐ忘れ去って
暇に溺れてる彼女まるでピエロが如く
買いもしない本をネガキャンして
ディスってる僕まるでピエロが如く
出来もしない青春時代
妬んでる僕まるでピエロが如く
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