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水晶宮殿
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作詞 あかさてな |
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私は再び幻想堂へと
次なるお気に入りを求めて
住宅街の小路に足を運んで居た
やっと辿り着いた幻想堂にて
店の主と少しの間
世間話をし
本題に入り何か珍しい物はないかと
主に訊ねると主は徐(おもむろ)に店の奥から
大きな箱を持って来た
其の箱は見た目は何の変哲も無い
古びた樹箱なのだが
主は得意気な顔をして箱を開けた
すると中から目映く輝く
全てが水晶で作られた
小さな宮殿が姿を現した
よく眼を凝らして観てみると
普通の水晶だけではなく
針水晶に煙水晶、紫水晶に薔薇水晶等々
様々な水晶を組み込んで作られているのが分かり
私は思わず感嘆の溜め息を漏らした
主の話しに由れば此の水晶宮殿は
オーストリアの修道院の修道僧が
生涯を掛けて作り上げた逸品物だと言う
私は即決し其の場で購入した
そして店を後にすると
早速我が家の書斎の棚に
空きスペースを拵えて
其処に水晶宮殿を飾った
こうして私はコレクションを着実に増やしていくのである
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