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とある日の想い
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作詞 T。M。HIDE |
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人気もまばらな駅のホームで新幹線を待っている
売店で買ったコーヒー片手にベンチで足を組み
俯きながら急ぎ足でバッグを引きずり歩く人を
ただただボッーと見つめている、見つめている。。。
時間通りに駅のホームに新幹線が滑り込めば
画面見ながら乗り込む何人かの後に付いていき
無言の車内を横目に見ながら座席に浅く腰掛け
音の消えた雨を眺めている、眺めている。。。
動き出す窓の景色が無神経に並ぶビルを映し出し
忙しく歩く八方塞がりな傘たちに気付き見下ろせば
散らかった世の中に溺れている小さな己に気づかされ
あの頃に戻れない俺を慰めてみる、慰めてみる。。。
突然暗闇に支配された窓は静まり返る車内を映し出し
反対側に座るサラリーマンがパソコンを眺めている
そう、ところで俺はこの先どこへ流れて行くんだ?
窓ガラスに映る顔を見つめてみた、見つめてみた。。。
あぁ深呼吸することさえ勇気がいる静かな空間は
刻々と確実に進み 乗る者全ての目的のためだけに
ただただひたすらレールの上を滑ってゆくけど
咳払い一つでため息が聞こえてきそうで息苦しいんだ。。。
やがて光を取り戻した窓の景色から都会の風は消え
雨の上がった歩道で黄色い帽子を被った園児たちが
無邪気に手を振っている姿を伏し目がちに見送れば
微笑めなかった俺を憎んでいる、憎んでいる。。。
雨の雫が残る田んぼは眩しいほど鮮やかに町を包み
その中に見えた年老いた丸い背中が妙に懐かしくて
駄菓子屋へと手を繋いで通った幼き日を思い出せば
最後に背中を擦れなかった俺を悔やんでいる、悔やんでいる。。。
無言で行き来する警備員には守るべき家族がいて
躍起になって狂乱の刃を向ける若者にも家族がいるわけで
家族という言葉は同じでも心一つで大きく変わるものだ
ここまでこれたことにありがたや、ありがたや。。。
さぁこの俺も五十間近になって少しは大人になったかな?
名も知らぬ川はそんな小さなことはどうでもいいんだと
言わんばかりに穏やかにそして力強く流れているように
見えてしまった俺はしあわせ者、しあわせ者。。。
あぁ大声で笑うことさえ勇気がいるおかしな時代は
いつまで続くんだろう?みんないつまで演じるんだろう?
ただただひたすらレールの上を走ってゆくことに
飽きたなら それでも首輪を外せない己をせせら笑おう。。。
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