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ポケットの中の過去
作詞 新田拙
一年前と同じままのジャケットで
寒い日 余所をうろついた
明け方に慣れきらずに暗いまま
心は冷えているから
ポケットに手を突っ込んだ

朝が来ているはずなのにぼくは
遠くへ遡っていきたい
明るさに慣れきらずに影が差す
心は箱の中だから
ポケットに手を突っ込んだ

左ポケットの感触 何かの紙くず
手に取り出して あの頃の事が蘇る

会わなくなった友達と
最後に会ったあの日の
最後にくれたガムの
捨てずにしまった包み紙
丁寧な四つ折りで仕舞われた
ポケットの中の過去

一年前のあの頃を思い出して
すきま風 心を吹き抜けた
今のぼくは何も持ってないのに
過去だけを手に取って
立ち尽くしているだけだ

会わなくなった友達の
霞んで見えない笑い顔
右のポケットに手を入れる
つまらない糸くずが入っているだけ

会わなくなった友達が
ぼくの遠くで手を振った
ぼくには見えない蜃気楼
ポケットの中の過去

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公開日 2018/11/27
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コメント 一年ぶりに羽織る上着って過去の残骸があったりする。
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