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左手のうた
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作詞 新田拙 |
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開いたままの目をふさいで
三十分先の未来へ行って
三十五年の過去へ戻る
きみの義手はきみのもの
誰がつくったものでもなくて
はじめからきっとそうだったはず
きみの涙はどこへ行く
深く地中へもぐりこんで
化石の目覚めになるだろう
冬の枯れ葉を徐々に溶かして
新たな季節を生むだろう
赤色のままの顔を覆って
図書館全ての本を読み
生まれたときの記憶をなくす
きみのからだは僕のもの
誰のものでもないというのは
はじめからきみもわかってただろ
きみはもがいてどこへ行く
外の世界へあがりこんで
誰かに救われたいのかい
僕の気持ちを放っておいて
誰かに救われたいのかい
瞳の先できみがもがく
心の中できみはもがく
もがいた傷は踏みしめて
行かなきゃならない場所がある
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