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花々と感熱紙
作詞 Rr.
君を傷付けられない毒ばかり
溺れる花々と感熱紙
誰も居ない駅の隅、月明かり
冷たい夏の底を歩いてた、歩いてた

夏が残したままの夜の蒼さが
幼い春の木陰で憩む様に
忘れるって事も、ただ言えないままで
浅い空の高さをなぞっては

もう、眠れなくて

口と目が思い出す夏を、遠くでなぞる心の話
道徳の授業で失くしたような
愛だとか、涙になって落ちるだけで

最低だとか、悲しいだとか
この世界の口癖にならないように
僕の中にある、この紙の白さを
これから書く君の美しさを

どうか、どうか 
君だけには、正しく届きますように

いつか食べた悪い言葉が
肺の中で隠れんぼさ
丸い月の形も、虫に蝕まれては
水面の皺に解けていく

廻る、星の海に舟を浮かべて
地球を飲み込む様に泣いた
明日へと続いていく道だけが
眩しい程に、光って見えるのだ

すっと、透けた心から

子供の時に出来た傷がまだ、曖昧に滲むから
懐かしい夜の雑踏に、鮮やかな夢の葛藤を
もう、いたいのいたいのとんでいけ

意地張りだとか、強がりだとか
今になって考えたって分からないのにな
僕の中にある、この「紙」の黒さを
夕暮れに例えたって もう何も感じなくて

移ろう季節の中で ただシミになって花になって
愛しくなる程、笑って 今日だけが取り残されていく
伝えたい事なんて 何一つ無いんだよ
全部、言い訳なんだよ
この歌詞も、僕にとっての君自身も

君が溶けて褪せて出来た夏を
まだ僕は描いているだけで

君を傷付けられない毒ばかり
溺れる花々と感熱紙
きっと僕の罪は、紛れもない「白」だ
だからこその僕の「黒」だ

意地張りだとか、強がりだとか
今になって後悔したって遅いのにな
大人になって、優しくなって
それでも、まだまだ あの夏に君が笑うから

最低だとか、悲しいだとか
この世界でもう誰かが泣かないように
君の中にある、その紙の青さを
これから書く僕の醜さを

もう此処に君が居なくても

どうか、どうか 君だけには
正しく届いていますように

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公開日 2019/11/27
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