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すごし冬
作詞 走風駿
寒空の下
ぼくは日陰で凍えていた
ため息を一つつく
吐いた息は白く染まり
生きづらいこんな世界で
まだ息をしてるんだな

突然降りだした雪
手のひらにそっとのせ
凍えた体に触れた雪は溶けた
ああそうか
ぼくの心は冷えきってないんだな

寒いから早く家にかえろう
芯まで凍ってしまう前に
誰もいない部屋に「ただいま」言うよ

 ひとりでいるのは寂しい
 だけど生き物飼うのは大変で
 かわいいぬいぐるみばかりが増えていく
 不意に何かを抱きしめたくなって
 ぬいぐるみ強く抱きしめた
 そこに温かさは感じず
 今日もひとりでふるえるよ


ようやく雪もやんで
暖かい日がさした
日向には笑い声
その光景が眩しくて
足跡のない雪の上
人のいない道を行く

路地裏で寒さしのぐ
一匹の野良猫が
近づいたぼくに気づいて威嚇する
ああそうか
お前もひとり 戦っているんだな

寒いけどもう少し歩こうか
寄り添いあえる人を探そう
寒い日でも温めあえるように

 人の温もりが愛しい
 だけど人を傷つけるの怖くて
 自分が傷つくことも怖がっている
 どこまで近寄れるかわからなくて
 遠くからただ眺めている
 そこにジレンマ感じながら
 今日もひとりで耐え抜くよ


 早く春が来るといいな
 だけど吹きつける風は冷たくて
 道行く人の背中は丸まっている
 穏やかな陽に溶け始めた雪も
 日陰にはまだ残っている
 そこに切なさ感じながら
 今日もひとりで生きてくよ

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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公開日 2018/03/05
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コメント 少し時季外れですが,冬の切なさや寂しさを詞にしました.
タイトルの「すごし」は古文で寂しいという意味があり,冬を過ごすとかけて付けました.
詞自体はだいぶ前に完成していたのですが,タイトルがなかなか決まらず投稿が遅くなってしまいました.
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