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灰息
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作詞 にとり子 |
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ありふれた景色に色がついていったように
ありすぎる記憶が色を失っていってくれたら
もしかしたらもっと楽に息ができる
そこかしこ 散らばる影に
あなたがいる あなたを見ていた私がいる
躰の奥に重たく鈍く溶けない痛み
これもあなたの置き土産
なんて愛せるほどの私じゃない
そこまで愛していたわけじゃなかったのかもね
嘯くほどに息が止まる
ニンゲンのいのちってものに終わりがあるのと同じく
ありふれた暮らしにも終わりがついてまわるようで
ともすればほら私にもあなたにもさ
そこかしこ 散らばる影に
私がいる 私を見てわらったあなたが
まぶたの奥に悲しいほどに暖かな痛み
これもあなたの置き土産
なんて飲み込めるほどの私じゃない
こんなに愛してしまうつもりじゃなかったのなんて
呟くたびに息が震う
躰の奥に重たく鈍く溶けない痛み
これもあなたのせいよ ねぇ
「待って」
袖を掴むような私だったら
そこまで愛していたわけじゃなかったのかもね
そこまで愛していたわけじゃなかったの そうよ
嘯くほどに息が止まる
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