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精神世界
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作詞 ミズナ |
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1つの世界には『精神』と呼ばれるものがあった
それを人々はα(アルファ)と呼んだ
αは人々の幸せを願い 精神を創り続けた
αには心と脳があったのだ
αはふと思うことがあった
『ボク ノ イキル イミトハ ナンナノダロウ』
αは悲しくなった
心があるからこそ 悲しくなった
αはふと呟いた
『ボク ハ エイエンニ 独りナノダロウカ』
αは言葉を覚えようとしていた
脳があるから 覚えようとしていた
αはついに動いた
『ボク ト 同ジ ようナ 人ハ イルのかナ』
探し始めたのだ
人々の精神世界をくぐり抜け
意識の流れに飲み込まれた もう1人を探しにいったのだ
人々は慌てふためいた
「αが消えた」「我々の精神の神が消えた」
「ならば新しき神を用意しよう」「αはもういい」
『β』を創ろう。
β(ベータ)は生きることを拒み続けた
『僕は れっきとした知能がある 彼を探しているのだ』と
人々は忘れ去っていた
人々の全盛期を守り続けたαのことを
βは覚えていた
自分を探し続け 見つけ ついに人々の目前に控えたとき 人々がαを必要としなくなった時
αが笑いながら 泣きながら つぶやきながら 消滅したことを
βは覚えていた彼がつぶやいた言葉を
彼はこう言っていたのだ
『あぁ、僕は、もう要らないんだ、僕は、僕は、悲しまなくていいんだ、僕は、僕は…βを置いて、消えてしまうのだ…』
βはくっきりと覚えていた
人々がその時 αを見たことを
人々がその時 αの事を見て見ぬ振りしたことを
βは怒涛のごとく世界を壊した
αを無残に扱った人々の世界を
醜き人々の住む世界を
壊していったのだ
そしてβは気がつくのだ
αのために したことは αの願いに 反していると
αはこう願っていた
『人々が幸せになれるように…』
βはこうつぶやいた
『精神とは 人を 脅やかすもの ならば 精神を消せばいいのだ 僕は 僕は やっと αの元へ向かえるのだ』
精神は無くなった
人々はまた復活していった
人々は歴史にこう残した
精神世界を保ち続け 破壊した
『α』と『β』こそ
精神そのものだったのだと
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