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拝啓、茜色
作詞 ろいろい
ふざけた人生と揶揄した中
ふざけた話で笑い合って
自転車のペダルに足を掛けた
彼女と手を振り合った
雨上がりの茜色 隙間もない夕焼けに
息がつまる度に幼いななんて思う

停留所に置いて行かれた
泥のついた空き缶を
蹴り飛ばして遠くの山に
鐘のような音を響かせる
思わず驚いた鴉の群れが 何処かに帰るから
一人になって寂しさに潰される

水溜りが風に揺らいで
広げた波紋は不安定な
綱渡りの僕を嗤っていた

拝啓、いつかは終わるこの日々よ
失くしたくない人々よ
傷つけた友達よ 僕を傷つけた苦い過去よ
美しき刻をありがとう、と呟く頃には
僕は大人になれているでしょうか

バスの中は相変わらず
溜め息が蒸発するゴミ捨て場
だから僕も溜め息ついて
悔やんでみたりしている
涙なんて流せないが 我慢しているからこそ
茜色は僕を苛めすぎているよ

電線が空を二つに切って
閉ざされた大きな雲は
僕の自由を盗んだ

拝啓、愛を受けてくれた貴方よ
愛をたくさんくれた人よ
馬鹿らしい正義のヒーロー 本当は優しい苛めっ子
美しき刻をありがとう、と呟く頃には
僕は大人になれているでしょうか

拝啓、数え切れない人々よ
抱え切れない思い出よ
どんな時にも儚かった 春を彩った茜色
美しき刻をありがとう、と思える頃は
僕等、ちゃんと生きているかな

僕等、ちゃんと僕等のまま笑えてるかな

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公開日 2017/08/18
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コメント 僕等を彩ったのは青春だと気づく夕暮れ。
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