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無題
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作詞 小雨ねむ |
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昨日と同じような昼下がり
公園から無邪気な子供の声
僕はといえばエナジードリンクと
カップ麺入りの袋を下げ歩く
公園から逃げ出すボール
後を追う白いTシャツの男の子
その先の未来が見えた
トラックが迫っていたから
助けなきゃって心では思ったはずなんだ
思ったはずだったんだ
体が動かなかった
動かさなかったのか
目の前で散っていく小さな命を
ただ眺めていることしかできなかった
自分の命以上に大切なものなんてなかった
ブレーキ音で我に返った
Tシャツがあんなに赤く染まるもんなのか
状況がわかってない子供たちと
救急車を呼ぶ大人たち
それは罪悪感からか何なのか
逃げるように家に帰った
エナジードリンクがひどくぬるく
味のないものに感じた
助けられた保証なんてどこにもないんだ
自分に言い聞かせて
ヘッドホンをする
耳鳴りがやまない
目の前で散っていく小さな命を
ただ眺めていることしかできなかった
自分の命以上に大切なものなんてなかった
数日後置かれていた献花
名前も知らないこの花が
せめて 枯れませんように
助けなきゃって心では思ったはずなんだ
思ったはずだったんだ
今となってはわからない
うまく思い出せない
誰かのために自分を犠牲にできるなら
素晴らしい人間になれたのだろうか
自分の命以上に大切なものなんてなかった
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