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想いウタ
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作詞 あーすけ |
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鼻につく匂いを越えて
夕食のメニューなんかを考えながら
辿り着いた白いハコ
いつもと違う風景に
無意識に呼吸を忘れた
上がった息と閉じられた瞳
それでもまだ、大丈夫大丈夫と叫ぶ脳を遮断し小さく笑った
空から落ちる雨粒が
瞳の奥から頭に響き
視界の世界を現実に戻す
去りゆく昨日を覚えてますか?
過ぎ行く毎日を愛してましたか?
消えゆく明日の炎の灯火に
終焉の鐘が聞こえているよ
キラリと光って 心に落ちる
最後の想いは 掬えなかった
無機質な空間にのまれた感覚
響く吐息は気がつけば
鈍色の空に消えていた
停止する身体は重くて
震える指だけ動かした
1人が怖い子供みたいな
何も出来ない無力の自分に
早くしろ、早くしろって
心臓だけが焦ってた
生暖かい水たちが
私の世界を滲ませて
その時初めて気がついたのは
頬を流れた、雫だった。
昨日の私を覚えてますか?
私の事を愛してましたか?
消えてしまった終焉の鐘に
電池切れみたいで動けない
ヒリヒリしてる胸の奥が
雫を誘って落ちていく
最期の想いはどこにある?
最期の一瞬は突然で
信号みたいに過ぎて行く
呑み込まれてる時間
止まらない今。
その手のひらの温もりも
最期だなんて、知らなかった
ありがとう、じゃ足りなくて
伝える言葉は見つからない
だからこの温もりを忘れないように
今は手を握り締めるから
昨日や私を忘れたとしても
私が全てを覚えてるから
世界や今を愛せなくても
かわりに私が愛していくから
明日も、来年も、10年先も
私が想いを紡ぐから
最期の最期に滲む世界に
映ったあなたのその顔は少し
痩せてしまっていたけれど
やっぱりいつものあなたでした。
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