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囚われ三月
作詞 ほつま
名付けようのない思惑が
陽を浴びて凍て緩む
彼にとっては不意打ちだったらしい
隠れる間も無く溶けて染み込んで行く

目を伏せてみても敵わない
この白い息見るに
彼は天寿を全うしたらしい
通夜の如く黒い液晶

未だ頬刺す北風ありて
コンパスはただその場で回る
少し冷たい程度じゃぬるい
冷めるのなら芯まで冷えたい

三月に 僕は何を期待しているんだろう
割れてこともなげに
また冷ややに過ぎ去る流れ
三月が 僕の胸を締め付けて離さない
余命幾ばくもない蕾が輝いて見えた
冬模様の街



厚着あざ笑う粉雪が
季節外れのそれが
僕にとっては駄目押しだったらしい
先に空に泣かれちゃ行く宛が無いな

まざまざと幾分無理やりに
この景色受け止めて
僕は天啓頂戴したらしい
人は美しくなれない

三月と 蒼い空に挟まれて動けない
たかが追い風一つじゃ一歩も動けやしない
三月が 僕の胸を握り締め離さない
いくら目を凝らそうと妨げるこの春霞
冬化粧の君



三月に 僕は何を期待しているんだろう
見てもわからぬけれど止まらずに膨らむ蕾
咲く前に 歌を乗せてお別れといこうかな
川に架かる赤い橋
縁(へり)に留まる鶯(うぐいす)の
震える口笛

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公開日 2018/01/11
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コメント 魔性を例えて言うならば。
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