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見えない温度
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作詞 おっさ |
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吐く白い息とマフラー
平年並みの寒さの今朝
この時期の両手はいつも
ポケットの中にあった
いつの間にかこの右手は
塞がることがなくなった
あの感触を忘れないうちに
この手を差し出したかった
暖かさを思い出せず
暖かい部屋にこもったまんま
ポケットの中で行き場のない手は
一体なにをつかむのだろうか
外から見えない握り拳を
そっと忍ばせて耐えてるのだろうか
やっと着いた駅と電車
ほっぺが赤い人もちらほら
人恋しくなるこの季節に
ちょっとだけ照れている
思い出したあいつの顔と声
懐かしさかなにかで震えた
後悔して頭の上から消すと
また白い息を吐いた
触れたい心に触れると
火傷するほど冷たかった
誰かに預けたその見えない右手は
そっと静かに拳をほどいてた
あなたと手をつないだら
また新しい拳が生まれてた
揺れる暖かい電車と
いくつも聞こえる会話と
詰め込まれた人々の
温もりを感じた気がした
そっと眠りについていく
止まって降りる人が走る
彼らにも行くべき場所がある
走った人が足を止める
止まった人が上を見る
空が細かくなって降ってくる
歩く人の頭に落ちては消える
今日の日付をふと思いだす
ちょっとだけうれしくなる
触れたい心を抱きしめて
今すぐ温度を伝えるよ 暖めるよ
繋いだ手から伝わる温度は
見えないけれど感じてた
外から見えないその温度は
2人だけしか知らない暖かさだった
左手で掴んだ小さな結晶で
冬の寒さに気づけるくらい
2人で作ったその拳を
この季節の中心にして大切にすればいい
吐く白い息と白いマフラー
今夜鳴り響く鈴の音と
君が作るごちそうで
あったかい冬を過ごそう
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